2013年9月6日金曜日

英語は直訳・和訳せずに学びましょう -前編ー

東進こども英語塾では、セサミストリートの映像を視聴し、邦人教師と会話練習を行うというオールイングリッシュのレッスンを行っています。
日本の英語教育では、中学校で"This is a pen." "That is not an apple."といった例文を用いるような、文法中心、直訳中心の学習方法をとっています。しかしこの方法では日本語の文章を作った後に、文法を頭で描きながら英訳する方法でしか英作文することができません。中学校から英語を学んだ結果、文法は定着しており、読解能力は高く、大学入試の英語の試験では高得点を取得できても、英会話は苦手だという学生が多い一つの原因はここにあります。英語は「教科の一つ」として学ぶのではなく、「コミュニケーションの道具」として学ぶことが重要です。どれだけ文法ができて読解力があっても、外国人と会話ができなければ、社会で通用する英語力を持っているとは言えません。

文法や直訳中心の学習方法よりも、こども達の成長段階に合わせて、彼らが普段家族やお友達に伝えたいと思っていることばや表現(例えば「お腹が空いた。」「おいしい。」「次は私の番ね!」「公園に行きたい。」等)を定着させていくように、ネイティブのこども達が母語として英語を学ぶ学習方法の方が、より有意義で効果的です。

直訳しない訓練を受けてきたこども達は、教師の質問に対して即座に返答できるようになります。例えば”How old are you?"と聞かれた時、「何歳か聞かれている」と日本語で考えることなく、英語のまま文章を理解し、自然に”I'm seven."と即答できます。これは様々な表現をリピートし、状況に応じた文章を自分で考えて発話する練習を行ってきた成果です。こども達にとって身近で、日常生活で使える様々な表現を正しいニュアンスで理解し、日本語というフィルターを通さずに学ぶことで、本当の意味で英語を使えるように練習を積み重ねることが大切です。

「日本語と英語のバイリンガルはどちらの言語でも会話できる」
これは正しいと言えます。
「日本語と英語のバイリンガルは通訳もできる」
これは、正しいとは言えません。
なぜなら直訳・和訳する能力と、英文をそのまま理解する能力は別の能力であるからです。
その理由を次の記事でご紹介したいと思います。